「説得とヤル気の科学 最新心理学研究が解き明かす「その気にさせる」メカニズム」を流し読んだ
今回の流し読み読書日記は「説得とヤル気の科学 ――最新心理学研究が解き明かす「その気にさせる」メカニズム」です。
最近読書日記ばっかりです。
総評
人の行動原理を心理学的な面から解説し、どのような行動や言葉が人に作用するのか・どう応用すればよいのかを示してくれている良書。
タイトルでは「説得とやる気」とあるが応用範囲は広く、人の行動を引き出す必要があるプレゼンや会議の場はもちろん、マーケティングや宣伝などにも広く使える本だと感じた。また本書内でも書かれているが、「自分で使う」という観点以外でも世の中で使われている様々な仕組みの理解であったりオレオレ詐欺への防衛だったりと人の行動に影響するものに興味がある方にはおすすめの本。
概要と感想
内容の密度が高いのでサクッとまとめれるほど理解できていない。。。
印象に残っているものをピックアップ
ペルソナ
一般的にペルソナというとマーケティングで使われるような「〇〇歳でXXをしていてい、こんな趣味があって・・・」みたいな仮想的な人物像のように使われるが、本書では更に深い活用がかかれている。例えば本人が思っている自分自身のペルソナ(自分はこういう性質の人間だ)というものを意識した問いかけだったり、そのペルソナの変更を誘導することで行動を促したりといったことまでかかれていて新鮮だった。
帰属意識や強化刺激
自分はこのグループに入っているという意識や報酬によって人がどう感じ、行動にどう影響するのかというのを多くの研究例とともに紹介されている。
例えば、飲食店などでポイントカードなどは一般的に発行されており効果があるマーケティング手法であることはなんとなく感じているとは思うが、それが何故起こっているのか人がどう感じているのかというところを丁寧に解説しているため、身近なマーケティングなどを深く理解するのに役立つと感じた。
心の錯覚
数字や言葉の見せ方によって人間の心がどれだけ錯覚を起こし、正しいと思っている行動がずれているのかがわかる。
またそれを使って交渉にはどのように数字を出せば良いのかなどもわかる。最初に出てくる一つの数字に引っ張られてしまうアンカリングの原理と値段付けの関係やメタファーを使うことで印象がかなり変わることなども。
ケーススタディとストラテジー一覧
本書のポイントとしてケーススタディとして10以上の実例の紹介がある。まずはこちらを先に読んで、有用性を確認するのが良いかもしれない。
また各項目ごとにストラテジーという形でポイントがまとめられているのですが、100以上出てくるのでどうしてもどこに何があったか忘れがちになる。それも最後の章に一覧があるのでとても親切だと感じた。
ということで、本書は内容が充実・研究の事例も豊富で、必要に応じて何度も読み直すのがよい本だと思った。行動分析学に興味が持てるとても良い本。
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