チラシの裏の設計書

プログラム開発、データ分析からロボット作りまでものづくり全般を思うがままに書き連ねたブログ。

「悪いヤツほど出世する」を流し読んだ

今回は「悪いヤツほど出世する」という本の流し読み日記です。

原書は「Leadership BS: Fixing Workplaces and Careers One Truth at a Time」というタイトルなので、直訳すると「リーダーシップの戯言」みたいな感じです。

 

nikkeibook.nikkeibp.co.jp

リーダーシップに関する迷信や誤解について提言しているような内容です。

 

概要

本書は一般によく語られる「理想的なリーダー」像について、現実に成功しているリーダーの事例と比較しつつ、そのおかしな点を洗い出していくような内容です。

謙虚で、誠実で、思いやりがあるというような資質が、リーダーとして成功するために本当に必要なのか、なぜそのような理想的な像ができているのか、を様々な観点で説明しています。

では例のごとく気になったところをピックアップ。

 

ピックアップ

リーダーシップビジネスの問題

まず最初に「リーダーの育成をする」というセミナーや産業が活発になっているが、それに反して全然成果が上がっていない、という点から出発する。

色々と問題点の指摘は書かれているが、「リーダーシップ産業(例えばセミナー)はその場にきているリーダーを感動・感心されることが目的になっている(本来はリーダーがその後どう行動変化したかだが計測できない)」という点はなるほどなと思った。

(あれですね、セミナーでわかった気になる現象ですね。はい。・・・。)

そのため、その場のリーダーは満足して高評価を付けるような感銘を受けるエピソードなど蔓延ってしまっていると。そのエピソードと実際に成功を収めているリーダーは違ってないですか?本当にそれで良いリーダーになれますか?という問題提起がされます。

 

オーセンティック・リーダーシップ

オーセンティック・リーダーシップやサーヴァント・リーダーシップについても書かれています。これらのリーダーシップ論は「リーダーは謙虚さ誠実さを持って部下を支えたり導いたりする」というもの。

(サーヴァント・リーダーシップについてはちょうど前回紹介した HowGoogleWorksでも出てきました。書籍概要は流し読み日記をどうぞ。露骨な宣伝。)

これらについて否定しているわけではない(と読み取った)が、実際に成功に導くリーダーは時として嘘をついたり謙虚とは真逆のことをしたりする必要もあり、「理想」と「現実」について細かく語られています。

 

自身を守ること

リーダーに対してだけでなく、部下的な立場の人に対するアドバイスもあり、例えば「理想的なリーダーが常に自分を助けてくれる」と信じるのではなく、現実を見ながら自身を守る必要についても書かれている。

 

不一致の解消

最後にまとめとして、現在リーダーシップに関する理想と現実でどのような不一致が起きていて、組織にどう向き合うと良いかがまとめられている。

・「こうあるべきだ」(規範)と「こうである」(事実)を混同しない

・普遍的なアドバイスを求めない

・白か黒かで考えない

・多くの人が求めるもの(情報など)と必要なものの不一致

・リーダーシップの多元的な性質と人々が求めるリーダー像の不一致

などがピックアップされている。

 

まとめ

リーダーシップに関する「理想と現実」を様々な事例を元に書かれており、リーダー的な人だけでなく組織に属する様々な人に参考になりそうだと思った。

 

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