チラシの裏の設計書

プログラム開発、データ分析からロボット作りまでものづくり全般を思うがままに書き連ねたブログ。

「イノベーションのジレンマ」を流し読んだ

今回は言わずと知れた(?)有名本、イノベーションのジレンマを読みました。

www.shoeisha.co.jp

この本は大成功を収めている優良企業が、気がついたら新しい技術を持った新興企業に押されてイノベーションに置いていかれてしまうのかについて、過去の事例や研究を基に理論的に解明していく内容です。

ざっくり概要

優良な大企業が新興企業に飲み込まれてしまう要因としては 「拡大のため優れた経営をし、顧客や市場と向き合い、技術を高めていく」からこそ、失敗するというジレンマを抱えていることがまとめられています。

本書ではハードディスク業界の事例などを交え細かな事例もふんだんに載っているのでここではポイントだけ。。。

持続的な成長と破壊的イノベーション

イノベーションのジレンマを紹介するとき、まず語られるのはこのポイント。

すでにある市場ですでにある製品を改善し、ニーズに応えていく持続的な活動と、まだ市場すら曖昧で技術的にも甘い(が、結果として今後既存市場を塗り替える)部分に切り込んでいく破壊的イノベーションは全く異なるもので、持続的な成長のための戦略はイノベーションの前ではむしろ逆効果になる。

大企業にとって、破壊的イノベーションは最初は無視できるレベルの小さな市場と技術から始まるが、その技術レベルやコストが新たな市場を生み出し顧客のニーズを満たし始めた頃にはもはや手遅れになっている。

組織能力

特定の領域・特定のバリュー・ネットワークで磨かれ、専門化された組織や組織の技術は新しいやり方に簡単に転移できない。

技術だけでなく利益の構造(どれくらいの規模受注し、どれくらいの利益を上げれば良いか、など)も対応できない。

資源マネジメント

破壊的イノベーションを前にしたとき、「市場を分析し見極めて適切に資源を配分・・・」というやり方はできない。そのような情報がないため。

持続的な成長の段階では引き締めるべき「失敗」に寛容になるよう必要がある。

また、企業としてはより高い収益や基盤の安定を目指して上位の市場へ向かう力が働くがイノベーションはその逆のより収益が見込めない部分に着目せねばならず、どのように向き合うのか(コスト・資源を注ぎ込むのか)考えなければならない。

感想

内容としては上でまとめたポイント以上に細かく語られていますし、ポイントも結構無理矢理まとめた感があるので、興味のある方はご一読を。

ただ、ディスクドライブや掘削機の例が細かく載っており、それ自体に興味がある人ならともかく、あまりイメージ持てない人にとっては、ジレンマの説明の前に事例の部分で頭の中が「???」になる可能性あり。

また、この記事では触れていませんでしたが、このジレンマにどう対処していくかの話もあります。

明確な答えは書籍にも世の中にもないとは思いますが、スピンアウトして対応した成功事例などいくつも各社の対応が載っているため読み応えがあると思います。

まぁ経営者の一種のバイブル本だと思いますので、私がおすすめするまでもなく必要は人は読んでいることでしょう。

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