「Pitch 世界を変える提案のメソッド」を流し読んだ
今回はスタートアップ・アクセラレーターのオンラボ(Open Network Lab)著の「Pitch 世界を変える提案メソッド」です。
スタートアップが投資を得るために行う「ピッチ」をテーマにしたものではありますが、「何かを伝えるために情報をまとめて説明する」という誰もが行う機会があるものに使えるメソッドが散りばめられているので、スタートアップに興味がない方にもおすすめ。
概要
スタートアップ企業を対象に行なっているプログラムを基本に、アイディアのまとめ方や説得力を増すためのポイントなどがまとまっている。
プレゼンや資料作成術のような本では、フレームワークなどが列挙されているだけのようなものもあるが、本書籍では実際の企業の例がふんだんに紹介されているためイメージしやすい。
以下のピックアップではポイントだけ取り出しているので簡素な内容に見えますが、本では実例やインタビューがあるためもっと深く理解できます。
ピックアップ
最初に埋める7項目
まず、以下の7つを明確にすることから始めるとのこと。
- 「誰の」:ユーザ層の絞り込み
- 「課題を」:切望する悩み
- 「解決する」
- 「なぜ今」:緊急性や今後の展望、今だからこそできること(技術、発明)
- 「既存代替品」:プロダクトの競争力を測る、現時点でどうしているか
- 「市場規模」:ビジネスとして成り立つか、投資家に魅力的に見えるか
- 「なぜあなた」:優位性、思い
フィット検証(質問の設計)
フィット検証という、自分のアイディアや解決策が本当にニーズとフィットするかを確認するという部分の話があります。その中から質問の設計という部分をピックアップ。
質問者は「自分の仮説が正しいと証明したい」、面と向かってインタビューを受ける人はどうしても忖度が入り「否定したくても濁してしまう」、などの問題をできるだけ排除する必要がある。
- インタビューする側は二人体制で、一人は客観的に眺められるようにする。
- 「こういうサービスがあれば使いたいと思いますか?」というような質問ではなく、「いくらだと高いと思いますか?」のように数値なども意識
- 負担を実感させる形で質問。「年間○円ぐらいかかるが~~」
- 直接的な質問だけではなくペルソナの人物像を掘り下げるような質問も入れる
など、陥りがちな注意点や質問例があり、ヒアリングや会議等でも意識すると良さそう。
インタビューの目的は仮説の誤りを見つけることである。
書籍ではオンラボ出身企業のQiitaやSmartHR、gifteeなどの事例があり、どういったことを考えてプロダクトを作っていったのかとか、スライドができたのかという部分も見られ興味深いものとなっています。
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