「How Google Works」を流し読んだ
今回は「How Google Works」の流し読みです。
Googleのビジネスに関する考え方や実際の事例を紹介する本。ITの最先端企業として誰もが知っている会社がどんなことを重視してビジネスを展開しているのか知れる本。
特に技術系の会社のマネジメント層な方は一つの考え方として参考になるかも。逆に参考にならなそうなところも。(後述)
概要
Googleのトップ層の方々が書いている本で、実際の事例や社内での取り組みなども紹介されているため読み物としても面白い。
目次としては
- 文化
- 戦略
- 人材
- 意思決定
- コミュニケーション
- イノベーション
と章に分かれておりそれぞれ濃い内容ですが、今回は「どんな人を採用して」→「どんな文化を作って」→「どのような戦略で新しいビジネスを作るのか」の流れで、例のごとく気になったポイントをピックアップしていきます。
ピックアップ
Googleの人材
スマートクリエイティブ
Googleが求める人材として「スマートクリエイティブ」というワードが出てくる。スマートクリエイティブは一言でいうと、「専門知識・技術的に優れいるだけでなく人をひきつけ、実行力に優れ、プロトタイプを作れる人間」といういわばスーパーマンな人。そんな人多くいるの?と思いますが、そういった人を獲得し自社に定着させるために採用や文化・労働環境を妥協しないということだそうな。
妥協なき採用
スマートクリエイティブを獲得するための採用基準なども紹介されていて面白い。
・LAXテスト(LAX=ロサンゼルス空港)
数時間足止めをくらったとして、その人と一緒にいたいと思うかどうか
・ラーニングアニマル
学習し続ける資質があるかどうか
など、聞いたことがある(人もいるかも)用語も登場するが、まとめると以下の4つを採用時の基準としているそう。
- 全般的な認知能力
- 職務関連の知識
- リーダーシップの経験
- グーグラーらしさ(野心的、チーム・サービス重視、独創性、誠実さ など)
そして、「経営者にとって一番重要な仕事は採用」「採用の質を犠牲にしてまで埋めるポストはない」という精神で「自分より優秀な人間」を獲得するよう注力しているそう。
すごい。
文化
20%ルール
高度な人材を定着させるための文化についても事例を含め、書かれている。
特によく知られた「20%ルール」やそこから生まれたプロダクトのストーリーなどもあり興味深い。20%ルールは、割と間違って解釈されたり、真似したものの機能しないので中止した企業なども多々あるが実際にはどんなものだったのかを知れる。
なお本書の中でもユーモアを交えて「20%ルールというか実際は120%になってる」みたいなことも書かれており、社員が自発的に本業以外のやりたいとおもえる土壌づくりが大切なようです。
ビジネス
技術先行の思想
ビジネス面での話も色々と紹介されているが、重要なのが「技術的な優位性」をかなり重視しているということ。
よく「技術だけでは意味がなくてビジネスにつながってこそ・・・」というような論調もあるが、グーグルは真逆でなにか技術的に突き抜けたものこそが必要と考えていて、それがなかったプロダクトは失敗しているとのこと。
オープンなマインド
ビジネスにおいても社内の情報においても、オープンにすることを前提として設計しているそう。
アップルと比較(AndroidとiOSとかビジネス的な面とか)する話もあり面白い。
感想とまとめ
スマートクリエイティブと呼ばれる高度な人材をいかにひきつけ、裁量を与え、イノベーションを作り出しやすい環境を作るかというGoogleのマネージメントに対する考えがわかる良い本だった。
ただ、容易に真似できるものではないし、下手に一部だけ真似るとかすると危ない面もあるなと思った。起業家として生きても十分成果を出せるレベルの人を更にスケール大きくするためのマネージメントというイメージ。
いきなりこういった文化を形だけまねるのではなく一つの見本として、文化定着具合や人材のレベルアップの状況に応じて取り入れていく必要がありそうです。